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ソフトウェア開発者の責任は、ほかのあらゆる製造業となんら変わりません。
目的である求められたシステムを、できるだけ最終目標に近い形で、効率的に、高品質で作ることです。
まったく正しいのですが、予算と締め切りが存在する以上、機能セットや品質もトレードオフの対象にせざるを得ません。そうなれば、何を至上命題とするかが焦点となります。
orionae さんが例として挙げているような、人命というクリティカルな要素が関わるソフトウェアであれば、品質が最も重要でしょう。
一方、はてなにとって重要なのは何か。ユーザへタイムリーにサービスを提供することだと思います。多少のバグがあっても、すぐ直せば取り返しが効くことです。ユーザに新たな体験を次々と提供できなければ第一線の企業でいることはできません。
もちろん、このトレードオフの範囲内で効率や品質を最大限高めることがソフトウェア工学に課せられた使命であり、数十年来の経験と知恵と実績がそこにはあります。ただ、あらゆる質と規模のソフトウェア開発に対して、ソフトウェア工学が最適な解ではないはずです。ソフトウェア開発に工学的アプローチが試みられた背景には、ソフトウェアの大規模化がありました。様々なスキルレベルの開発者、一人の頭では把握できないほどのたくさんのモジュール、限られた予算とスケジュール、これらをいかに適切に管理して、効率よく高い品質のソフトウェアを開発できるかが目的とされます。誰が作っても均質で計画通りに生産される工業製品、これがソフトウェア工学の目指すソフトウェアでした。
一方、ハードウェアの高速化と IDE の発展により開発環境は整備され、ライブラリやフレームワークという形で開発者間の知識・成果物が共有され、現場レベルでも経験と知恵と実績が蓄積されました。その結果、ある程度の規模と目的のソフトウェア(主にウェブアプリケーション)であれば、少数精鋭で十分な速度と品質を保って開発できると言われるようになったわけです。
はてなのスタンスは明らかに後者でしょう。その評価はユーザにしてもらえばいいのではないでしょうか。
naoya さんは、自社のサービスには「ソフトウェア工学と Java」を用いるよりも、「試行錯誤と Perl」を用いる方が良いとしています。そこには、ソフトウェアを作るのを楽しむということが創造性に繋がるという思いが込められているように思えます。そして、はてなにとってそれが正しいという自信がそこにはあります。
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