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最近 SF マガジンで短編をいくつか読んで気になったので単行本を読みました。
悪夢のような手触りの話でした。語り手の「僕」は状況に巻き込まれるままあるいは人の思惑のまま悲惨な目に遭います。突発的に逆上する以外には主体的に行動することがほとんどありません。もがくでもなく諦めているでもなく、ほとんど内面を見せずにただただ語る彼はむしろ淡々としているようにさえ見えます。
夢の中では因果の関係は崩れ、自分がどう行動しようとそれに関係なく夢の物語が進んでいきます(いつも脈絡のある夢を見る人もいるのかもしれませんが)。それが醒めてほしい悪夢であるときほど特に、カメラ越しかのように受動的に見続けるしかなかったりします。この本はそんな夢に似ています。
異形の生物や登場人物以外の繋がりを持たない断片的なエピソード、妙に描写が細かい部分があるかと思えば「僕」が知りたいと思う事実が曖昧模糊として知れないといった、アンバランスさが夢のような感じに拍車をかけます。
決して読後感のいいタイプの小説ではないのですが、目覚めた後に何を見ていたのか気になる夢のように、もやもやとした何かが残る一冊でした。
なお、本人のブログ 平山瑞穂の白いシミ通信: 在庫一掃セール によると、絶版になってしまうそうです。もったいないですねえ。
極北の恐怖という副題がありますけどホラー小説ではないです。史実に基づいたフィクションという点では諜報指揮官ヘミングウェイと同様ですね。どちらも史実に基づきつつ大胆に想像力を膨らませています(筆者によるフィクションだろうと思った部分が史実だったりしておもしろいわけですが)。
ハヤカワのサイトからあらすじを引用します。
大西洋から北まわりで太平洋に抜ける北西航路。その最後の部分を発見すべく、1845年5月、探検隊長のサー・ジョン・フランクリン率いる二隻の英国艦〈エレバス〉と〈テラー〉は出航した。だが、当初は順調だったものの、翌年9月には北米大陸の北で完全に氷に閉ざされ、身動きがとれなくなってしまう。想像を絶する寒さの中、生き延びる道を探るフランクリンらの前にやがて巨大な白い怪物が現われ、激烈な闘いが始まる。
ザ・テラー ―極北の恐怖― 上:ハヤカワ・オンライン
寒さや飢えの中の壮絶なサバイバルが上下巻1000ページに渡ってこれでもかと続くわけですが、終盤はエスキモーの神話が織り交ぜられ、エデンの炎や愛死の「歯のある女と寝た話」を思い出させます。
視点人物が複数入れ替わりながら集団のサバイバルが語られてきたので終盤の展開がどうも唐突でしたが、全滅という結末が史実により決まっていながらも陰惨な終わり方ではなかったのは良かったです。
史実については、ジョン・フランクリン - Wikipedia が参考になります。
ザ・テラー―極北の恐怖 (上) (ハヤカワ文庫 NV (1156))(嶋田 洋一/ダン・シモンズ)
ザ・テラー―極北の恐怖 (下) (ハヤカワ文庫 NV (1157))(ダン・シモンズ)
Windows 版 Freeciv を gentoo でクロスコンパイル の続きです。GTK+ とその依存ライブラリ一式をインストールした後に、client=gtk でクロスコンパイルしましたが、win32 同様にバイナリを実行してもうんともすんとも言わずに終了しました。残念。これは深追いせずに放置することにします。
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